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音とプライバシーの問題

2011.09.30

壁や建具にガラスのスリットを入れ、部屋の灯りが見えるようにしてみる。天井まで壁にしないで、家具や壁の高さを途中で止めて、そこから上の天井までの空間は開放しておく。あるいは通路側に、内窓を設けるのも1つの方法です。子どもが成長し気にするようなら、内側にカーテンかブラインドをつければよく、それでも部屋の中の様子は分りますから、親子喧嘩をしても顔を合わす機会が多いだけ、仲直りするきっかけも掴みやすいはず。ほんのちょっとした工夫によって、子ども部屋を密室化させることなく、同時に住まいに広がりや風通しをもたらす一石二鳥の方法はたくさんあります。設計打ち合わせの折に、密室化を防ぐさまざまな提案をすると、必ず出てくる質問が、音とプライバシーの問題です。「音がうるさくありませんか」、「落ち着かない部屋になって子どもが嫌がりませんか」といった質問をよく受けます。しかし、家族の話し声や料理の音などの生活音が多少聞こえたくらいで、勉強の妨げになるものでしょうか。もしテレビの音がうるさければ、家族が協力してボリュームを下げればいいだけの話です。かつて日本の住まいは壁がなく、部屋を仕切っているのは襖や障子でしたから、生活音やお互いの気配を感じながら生活し、テレビをつけていても、寝ている家族がいればボリュームを低くしたりと、相手を思いやる気持ちや自制心、協調性を自然に生み出す構造を持っていました。プライバシーや個性の尊重も大切ですが、強調されすぎて、その結果、部屋を区切る壁が多すぎる構造になったきらいがあります。壁の多寡が、家族相互の風通しの善し悪しのバロメーターと言ってもよいかもしれません。

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