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建設業界のあり方こそ行政の観点から問題にすべき

2011.11.04

以前は国の高級官僚かその予備軍、あるいは自治体でも最高権限を持つ首長に限られていたように思うが、これも地方の時代々の反映なのだろう。支店長が本社に報告の電話をしている間、私と建設部長は先に温泉に入った。「誰でも知っている最高実力者の先生には黙っていてもらうことにしたいのだ。それでも何人かの実力者が相手候補の応援で東京から来るだろうな。それもできるだけ、内容を薄くさせる。そんなのに、結構、金はかかるものらしい。

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金権言ったって、いまどき、選挙民に金は直接バラ撒かないよ。捕まったらアウトだからな。こんどのように、時間が少ない選挙はそれでも金がかからんからお互いに助かったのさ」緊張が解けたのか、部長は温泉の中で機嫌良くしゃべっていた。性格は悪くないのだなと私は思った。付き合いが長くなりそうなこの部長の言葉の一つ一つに私はうなずいていた。私たちがこの日、建設部長と裏取引したのは一年と少し先に着工する予定の多目的市民ホール建設で、私の会社が裏JVを組むということであった。事実、一年と少し後に会社はこの裏JVに入ることで、この日の建設部長の申し出である五億円の選挙資金の貸付けを帳消しにした上に、一億円の利益を得ることができた。当時の建設部長はいまも市長として辣腕を振るっている。こうして何の施工にもタッチせず利益だけを上げる「不労所得」や名目だけの裏JV企業に対する事実上の「贈与行為」に国税庁の手が入ったという話はまだ聞いたことがないし、この事実が物語るのはゼネコンの政治に対する貢献度の高さということになるのだろうか。裏JVなどによるゼネコンの利益に批判は多いが、私に言わせればウラにはウラの掟が作用している。政治家、あるいは官僚の選挙資金に分け前が流れているから業界だけを責めることは酷というものだ。むしろ、裏JVに代表される大手建設会社の利益獲得の是非はともかく、こんな形で政権党やかつての政権党の政治資金を捻出しなければならない建設業界のあり方こそ行政の観点から問題にすべきだろうが、行政は建設業界を守ることをしないのである。